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【楽天市場】TDA広告の予算設定はどうすべき?効果を最大化する運用方法をプロが徹底解説

楽天市場

はじめに

楽天市場で売上を最大化させるために、RPP広告と並んで重要性が高まっているのがTDA広告(ターゲティングディスプレイ広告)です。

しかし、「RPP広告と何が違うの?」「予算設定の目安がわからない」という悩みを抱えている店舗運営者様も多いのではないでしょうか。TDA広告は、適切な予算配分と運用方法をマスターすれば、新規顧客の獲得やリピート促進に非常に強力な武器となります。

本記事では、TDA広告の最適な予算設定の考え方から、効果的な運用方法、注意すべき落とし穴までを分かりやすく解説します。

TDA広告とは?

まずは、RPP広告と並んで重要性が高まっているTDA広告についてご説明させていただきます。
TDA広告(ターゲティングディスプレイ広告)とは、楽天市場内のユーザーにターゲティングを行い、広告を配信することができる広告です。

この広告の大きなメリットは、購入につながりやすい(購入意欲が非常に高い)ユーザーをセグメントに切り分け、重点的に配信できる点にあります。効率的な広告運用を実現するためには、この特性を最大限に活かすことが求められます。

【掲載イメージ】(例)検索結果画面

TDA広告のメリット

TDA広告を運用するメリットについて2点解説いたします。

楽天市場内のユーザーに効率良くアプローチすることができる

AmazonのDSP広告をはじめとするEC系のディスプレイ広告では、サイト外へのバナー配信も可能ですが、楽天TDA広告は配信先を原則として楽天市場内に限定しているため、購買目的で来訪している楽天ユーザーに対して、より効率的に訴求することができます。

狙ったユーザーに無駄なくリーチ可能

TDA広告はユーザーデータをもとに配信設計が可能で、楽天RPP広告やクーポンアドバンス(CA)広告と比べても、店舗が設定したセグメントに沿ったバナー配信ができるため、ターゲットとするユーザー層へ効率的に訴求できます。

TDA広告における予算設定の基準

TDA広告を導入する際、まず直面するのが「いくらかければいいのか」という問題です。全体的な広告費のバランスから考えましょう。

店舗全体の広告予算から逆算する

楽天店舗の一般的な広告費の目安は、月商の10%〜15%程度です。
例えば月商1,000万円の店舗であれば、広告予算は100万〜150万円となります。その中でメインとなるのはRPP広告ですが、TDA広告には以下の比率で予算を割くのがおすすめです。

  • TDA広告の予算目安:広告予算全体の最大5%程度

まずはこの範囲で運用を組み、RPP広告などの費用対効果と比較しながら微調整していくのが理想的です。

TDA広告の戦略的な運用方法

TDA広告は、時期によって配信の「強弱」をつけることが運用のコツです。

通常時は「閲覧・購入者」へのリマインド配信

大きなイベントがない時期は、予算を抑えめに設定します。

  • ターゲット: 過去に自社商品を閲覧した人、または購入したことがある人
  • 目的: 買い忘れ防止やリピート購入の促進

イベント時は「予算を2〜3倍」に引き上げる

お買い物マラソンや楽天スーパーSALEなどのイベント時は、一気に勝負をかけます。

  • 運用アクション: 通常時の2倍〜3倍に予算をアップ
  • 新規獲得: 自社商品と親和性の高い「ジャンル」でセグメントを切り、新規顧客へ露出を広げます

TDA広告の課金形態と配信設定

TDA広告を運用する上で、RPP広告との最大の違いは「課金の仕組み」にあります。

インプレッション課金(CPM)の注意点

TDA広告はクリックされた時ではなく、「表示(インプレッション)された時」に課金されます。

  • 単価の目安: 1インプレッションあたり1円〜1.5円程度

ここで注意したいのは入札単価の調整です。例えば単価を1円から1.5円に上げただけで、露出(表示回数)が急激に強まる傾向があります。消化スピードが速くなりすぎる可能性があるため、消化状況をこまめに確認しながら調整しましょう。

予算を使い切らないための「均等配信」設定

キャンペーン作成時に設定できる「均等配信」機能を活用しましょう。
例えば月間の予算を10万円に設定して「均等配信」を選択すれば、月の途中で予算が尽きることなく、ある程度一定のペースで広告を出し続けることが可能です。

TDA広告における効果測定(ROAS)の見方

TDA広告のレポート画面を見ると、ROAS(費用対効果)が2,000%や3,000%といった非常に高い数字が出ることがあります。これには理由があります。

ビュースルーコンバージョンの仕組み

TDA広告は、「広告が表示されたけれど、その場ではクリックしなかった人」が、後日別のルートで購入した場合も成果としてカウントされることがあります。これをビュースルーコンバージョン(アトリビューション)と呼びます。
そのため、RPP広告と同じ基準で評価すると効果を見誤る可能性があります。

  • 運用の判断基準: ROAS 1500%〜2000%程度を維持できているかを一つの目安にすると良いでしょう

まとめ:TDA広告を攻略して楽天の売上を一段上のフェーズへ

TDA広告は、RPP広告(検索連動型)だけではリーチできない層へアプローチできる、楽天市場において非常に重要な武器です。今回のポイントを改めて整理しましょう。

  • 予算設定の黄金比: まずは店舗全体の広告費のうち「5%」を目安に振り分け、RPP広告とのバランスを見極める
  • イベント時のブースト: 楽天スーパーSALEなどの商戦期には、予算を2〜3倍に引き上げ、新規顧客獲得のチャンスを逃さない
  • 配信コントロール: インプレッション課金(表示課金)の特性を理解し、「均等配信」を活用して安定した露出を確保する。
  • 数値の捉え方: ROASの高さに一喜一憂せず、ビュースルーコンバージョン(広告を見ていた人の後日購入)の影響を考慮した冷静な判断を行う

TDA広告の最大のメリットは、その「柔軟性」にあります。一度設定して終わりではなく、消化速度やROASをチェックしながら、入札単価を0.1円単位で微調整したり、ターゲットとするジャンルを入れ替えたりと、PDCAを回すことでどんどん精度が上がっていきます。

「設定が難しそう」「予算を使いすぎるのが怖い」と感じていた方も、まずは本記事で紹介した目安に沿って、少額からキャンペーンをテスト配信してみてください。その一歩が、店舗のアクセス数と売上を大きく変えるきっかけになるはずです。