Amazonブランド登録の方法解説|メリット・デメリットから2ステップの申請手順まで完全ガイド
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本記事は、Amazon運用支援を行う弊社が、実務で扱うブランド登録のノウハウをもとに、最短で売上効果に繋げる方法を体系的に解説します。
Amazonブランド登録とは、商標権を持つ出品者がブランド保護と売上拡大のために利用できる公式プログラム です。
ブランド登録をすることで、ブランド保有者にしかできない施策をできるようになります。
具体的には、以下のような重要施策が解禁されます:
- スポンサーブランド広告が使える
- Amazon Vineでレビュー獲得ができる
- 商品ページの編集権限を優先的に持てる
- 転売対策が強化される
- ストアページが作成できる
- Brand Analytics(検索レポート)が利用可能
Amazonでブランドを伸ばしたい企業は“必須”の設定です。
よりブランドの知名度・売上を上げたい、卸先に勝手にページを編集されないようにしたい、といった声に応える施策がAmazon側で用意されているので、必ずブランド登録をするようにしましょう!
Contents
- 1 Amazonブランド登録とは?
- 2 Amazonブランド登録のメリットとは?
- 2.1 ブランド登録のメリット➀:Amazonスポンサーブランド広告を実施できる
- 2.2 ブランド登録のメリット②:Amazonスポンサーディスプレイ広告を実施できる
- 2.3 ブランド登録のメリット③:商品ページの編集権限を優先的に持つことができる
- 2.4 ブランド登録のメリット④:転売屋の登録商品を排除しやすくなる
- 2.5 ブランド登録のメリット⑤:ストアページを作成できる
- 2.6 ブランド登録のメリット⑥:JANコードなしでも出品可能
- 2.7 ブランド登録のメリット⑦:ブランドの出品商品のリスト表示が可能
- 2.8 ブランド登録のメリット⑧:Brand analyticsが利用可能
- 2.9 ブランド登録のメリット⑨:Amazon Vine(レビュー先取りプログラム)に参加できる
- 3 Amazonブランド登録のデメリットとは?
- 4 Amazonブランド登録の登録方法とは?
- 5 Amazonブランド登録のための商標取得方法
- 6 終わりに
Amazonブランド登録とは?
Amazonブランド登録とは 「商標権を持つブランド保有者のための保護・育成プログラム」 のことです。
登録すると、ブランドの世界観を守りながら、認知拡大・レビュー獲得・広告運用などの施策が強化できます。
Amazonで商品を探していると、商品のブランドが記載されていることがわかります。

これが、ブランド登録されたブランドです。Amazonでは新たに商品登録する際、ブランドを選択するのですが、ブランドの選択対象になるには、ブランド登録を実施している必要があります。
仮に自社のブランドと似たようなブランド名のブランドがあった場合、自社よりも先に卸先が正しいブランド名ではなく、誤ってもう一方の似たようなブランド名で商品登録をしてしまうと、自社のブランドを正しく直すのに非常に時間がかかります。
できるだけ早い段階で自社のブランド登録を実施するようにしましょう。
Amazonブランド登録のメリットとは?
まず、ブランド登録のメリットをわかりやすくまとめます。
メリットは大きく分けると以下の9つです。
メリット
- スポンサーブランド広告を実施できる
- スポンサーディスプレイ広告を実施できる
- 商品ページの編集権限を優先的に持つことができる
- 転売屋の登録商品を排除しやすくなる
- ストアページを作成できる
- JANコードなしでも出品が可能
- ブランドの出品商品のリスト表示が可能
- Brand analyticsが利用可能
- Amazon Vine(レビュー先取りプログラム)に参加できる
ブランド登録のメリット➀:Amazonスポンサーブランド広告を実施できる
スポンサーブランド広告というのは、対象ブランドの商品を該当の検索キーワードに合わせ表示する広告です。
検索結果の目立つ位置にブランド広告を出せるため、ブランド認知の拡大に直結します。

ブランド登録をした出品者しか登録できません。
ただ注意点としては、あくまでもブランドの認知を上げることに重きを置いた広告なので、広告出稿者がカートを取得できていなくても、スポンサーブランド広告として表示されてしまう点があります。目的をブランドの認知を上げることに絞る、もしくはカートを取得できる調整を行った上で広告を出稿するようにしましょう。
ブランド登録のメリット②:Amazonスポンサーディスプレイ広告を実施できる
スポンサーディスプレイ広告は、商品の詳細ページに表示される広告のため、競合商品から自社商品への流入が期待できる広告です。

ブランド登録のメリット③:商品ページの編集権限を優先的に持つことができる
商品詳細ページは出品者から寄せられた情報を調整して作成されています。
そのため、自社ブランドだから正しい情報を入れようと思い、商品情報の修正を登録し、Amazon側に反映を依頼しても、そのまま商品詳細ページに掲載されるとは限りません。
しかし、Amazonでブランド登録をすることで、登録した商品情報が反映されやすく、他社から編集されても、他社の情報を反映されにくくすることができます。
結果として、ブランドの世界観を守ったり、正しい情報を送ったりすることができます。
ブランド登録のメリット④:転売屋の登録商品を排除しやすくなる
ブランド登録をしている店舗は、商標権の所有を証明していることになります。そのため、同じ商品を登録している転売屋の出品に対して、「知的財産権侵害」などを主張する際に通りやすくなります。
ブランド登録のメリット⑤:ストアページを作成できる
ストアページとはAmazon内に自社ブランド専用のページを作成できるサービスです。Amazonの中で、自社ブランドの世界観を伝えるのに有効です。

導線は、商品ページ内などに設置されています。
ブランド登録のメリット⑥:JANコードなしでも出品可能
Amazonに出品する場合、通常JANコードが必要です。しかし、これから販売しようとする商品のJANコードを取得していないという場合があるかと思います。
その際は、「製品コード免除申請」をAmazon側に依頼しなければいけませんが、事前にAmazonブランド登録を行っておくと、審査落ちする可能性が下がります。
そして、「製品コード免除申請」が通れば、JANコードがなくても出品することが可能です。
ブランド登録のメリット⑦:ブランドの出品商品のリスト表示が可能
Amazonブランド登録を行うと、ブランドの登録商品リストが作られます。商品カタログからブランド名をクリックすると、どのような商品が登録されているか、リストで確認できるため、転売屋などの権利侵害商品を見つけやすくなります。
ブランド登録のメリット⑧:Brand analyticsが利用可能
Amazonブランド登録を行っている出品者のみブランド分析機能を利用できます。
ブランド分析では以下のレポートを参照可能です。
- Amazon検索用語レポート:特定の期間においてAmazonストアで最も人気のある検索キーワードと各キーワードの検索頻度ランキング、およびキーワードの検索後に購入者が全体としてクリックした上位3点の商品が表示される
- 商品比較レポート:権利所有者の商品と同日に、Amazon購入者が閲覧した頻度が上位の商品が表示される
- 代替購入レポート:Amazonの購入者が全体として、ブランド所有者の商品を閲覧したものの、購入しなかった日と同日に、頻繁に購入された商品がブランド所有者に表示される
- マーケットバスケットレポート:ブランド所有者の商品を購入した際、同時にAmazonの購入者が最も頻繁に購入した商品が表示される
- リピート購入レポート:商品またはブランドごとの注文数、および購入者のユニーク数が表示される
ブランド登録のメリット⑨:Amazon Vine(レビュー先取りプログラム)に参加できる
ブランド登録を行うことにより、「Amazon Vine」と呼ばれる、レビューを先取りするプログラムに参加できるようになります。
Amazon Vineとは、出品者側が商品を無料で提供し、Amazon側が選んだレビュアーの方にレビューを書いてもらうことができるプログラムです。つまり、商品の代金で1レビューが獲得できるシステムです。
Amazonでは、Amazon Vine以外に効果的にレビューを獲得できるプログラムは現状では無いため、Amazon Vineを活用してレビューを獲得していくことは重要になってきます。
Amazonブランド登録のデメリットとは?
Amazonブランド登録は非常にメリットが多い一方、導入前に必ず知っておきたいデメリット も存在します。
弊社が実際に支援する中でも、ブランド登録の準備に想定以上の時間がかかり、ローンチ時期が遅れて売上機会を逃しかけるというケースが発生しています。
以下、主なデメリットとして2点ご紹介します。
- ブランド登録に、手間がかかる
- 商標登録をしていない場合、商標登録を取得するまでに通常12か月程度、早くて2か月時間を要する
ブランド登録のデメリット➀:ブランド登録の作業に手間がかかる
ブランド登録はAmazon側の審査が厳しいです。
その上、必要な情報が多いため、入力ミスによる差し戻しが非常に多いのが現場の課題です。
実際に必要な準備
ブランド登録には以下が必要です:
- 商標(文字・ロゴ)の登録証
- ブランドの実使用がわかる写真
- パッケージ画像(ロゴが印刷されたもの)
- ライセンス契約の有無
- 商品カテゴリ情報
- 流通経路
- 販売国情報
細かな入力項目も多く、1項目の誤りで審査が1〜2週間遅れることも珍しくありません。
ブランド登録のデメリット②:商標取得に時間がかかる
Amazonブランド登録には 商標(文字商標 or 図形商標)の登録が必須 です。
しかし、この商標取得には 一般的に12ヶ月前後かかるため、Amazonで商品を販売したいタイミングに 間に合わないケースが非常に多い のが実情です。
標準スケジュール(12ヶ月)の内訳
- 出願準備(1〜2週間)
- ネーミング調査
- 類似商標検索
- 出願区分の決定
- 方式審査(1〜2ヶ月)
- 実体審査(6〜8ヶ月)
- 登録料納付 → 登録証発行(1〜2ヶ月)
→合計12ヶ月前後
Amazonブランド登録の登録方法とは?
ブランド登録は、以下の 2つのステップ で行います。
- ブランドレジストリアカウントの作成
- ブランド情報を入力する
ブランド登録の手順➀:ブランドレジストリアカウントの作成
Amazonブランド登録用のサイトページ(https://brandservices.amazon.co.jp/brandregistry/eligibility)にアクセスし、ページ下部に出てくる「今すぐ登録する」ボタンをクリックします。

「ブランド登録先の国のマーケットプレイスを選択します。」の表示が出るので、国リストが出てきたら、一覧「日本」を選択します。


ブランド登録の手順②:ブランド登録のページで入力
利用規約を確認したら、ブランドレジストリアカウントの管理画面の左側にある「新しいブランドを登録」をクリックします。

ブランド登録の申請に必要な情報が表示されるのでそちらを確認した後、ページ左下の「ブランドを登録する」ボタンをクリックします。

そして入力項目は大きく分けて以下の3ブロックです。
- ブランド情報の入力
- 出品用アカウントの情報
- 製造・販売に関する情報
それぞれ確認しています。
ブランド情報の入力

まずはブランド情報を入力していきます。入力するブランド名は、登録された商標名と完全に一致していることを必ず確認してください。
※ブランド名の小さな誤字一つで審査落ちするため、慎重に作業を実施してください
確実に一致していると認められない場合には、ブランド登録の申請は承認されなくなってしまいます。
例えば大文字と小文字の区別や、ハイフンやコンマなどの使用には、特に注意が必要ですので、必ずチェックしてから入力しましょう。
また、ブランド登録後にブランド名の変更はできません。
イチから新たに登録し直す必要がありますので、間違わないように注意して入力しましょう。
出品用アカウントの情報

続いて、出品用アカウントに関する情報を入力していきます。商品に該当するブランドカテゴリーの指定などを行っていきます。
製造・販売に関する情報

最後に、製造および販売情報の入力をしていきます。流通情報・ブランド商品の販売国・商標権のライセンス情報を入力し、送信をクリックすれば、ブランド登録の申請は完了し、Amazonで審査が行われます。
Amazonでの審査が終わると、確認コードが送信されてきます。申請が商標権を持つ人/組織自身で行われているかを確認するためです。このコードを受け取ったら、Amazonブランド登録アカウントにログインし、送られてきたコードを提出します。
提出から数日後、Amazonからブランド登録を承認するメールが届いたら、登録完了です。
Amazonブランド登録のための商標取得方法
ブランド登録をする前の注意点としては、「商標の取得」があります。
実際の登録方法から取得期間について説明していきます。
商標とは?
まず、商標とは自社の取り扱う商品やサービスを他社の商品やサービスと区別するために使用するマークです。そのため、商標は企業にとって非常に重要なツールです。
商標の役割・機能
商標は商標が付されている商品の販売者や提供者を表示する機能と、品質を保証する機能があります。また、商標は各国の商標法により、登録することで独占して使用する権利(専用権)を付与されます。同時に第三者が登録商標と同一・類似する商標の使用を禁止する権利(禁止権)も付与されるため、第三者から自社の事業を守ることにつながります。
商標登録までの流れ
商標登録には、「方式審査」と「実体審査」があります。この2つの審査を無事通過するまでに通常12か月かかります。
- 方式審査:出願された商標が手続的要件、形式的要件を満たしているかどうかを確認する
- 実体審査:特許庁の審査官が、出願された商標が登録要件に合致するものであるかどうかを審査するもの
早めに商標を取得する方法
正直12か月も待っていられないという方もいらっしゃるでしょう。
そんな方のために2つのの方法があります。
- 早期審査:一定の要件(出願商標をすでに使用している、など)のもと、出願人からの申請を受けることで、審査を通常に比べ早く実施する制度です。2か月で商標取得が可能となります。

終わりに
ここまで、Amazonブランド登録について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
最後にメリットとブランド登録時に満たすべき条件について、まとめておきます。
メリット
- スポンサーブランド広告を実施できる
- スポンサーディスプレイ広告を実施できる
- 商品ページの編集権限を優先的に持つことができる
- 転売屋の登録商品を排除しやすくなる
- ストアページを作成できる
- JANコードなしでも出品が可能
- ブランドの出品商品のリスト表示が可能
- Brand analyticsが利用可能
- Amazon Vine(レビュー先取りプログラム)に参加できる
ブランド登録時満たすべき条件
- 商標の取得
ぜひ、「Amazonブランド登録」を有効活用して、アマゾンでの売上を最大化していきましょう。
