Yahoo!ショッピングのソーシャルギフト機能とは?特長・設定方法・注意点まとめ
Yahoo!ショッピング
Yahoo!ショッピングでは、2023年12月より一部のユーザーに対してソーシャルギフト機能の提供を開始していましたが、2024年3月28日にすべてのユーザーへの機能提供を開始しました。
ソーシャルギフト機能とは、購入者が「住所を知らない人」にもYahoo!ショッピングの商品を贈ることができる機能です。そこで今回はYahoo!ショッピングに新しく追加されたソーシャルギフト機能の特長や導入メリット、ストアクリエイターProでの設定方法を紹介します。
ソーシャルギフト機能とは
ソーシャルギフト機能とは贈りたい相手の住所を知らなくてもYahoo!ショッピング内で購入したギフトを贈ることができるサービスです。2023年12月より一部のユーザーに対してリリースされ、2024年3月28日にすべてのユーザーへの機能提供が開始され、特設ページが解説されています。
ソーシャルギフト機能はもともとLINEアプリではLINEギフトとして稼働していましたが、年末のプレゼントシーズンに向けて、Yahoo!ショッピングでも展開されることになりました。
ソーシャルギフト機能の仕組み
住所を知らない相手にギフトを贈る仕組みは、LINEやメール等と連携することで可能となります。ソーシャルギフトとして購入した商品については、住所を入力するページのURL(=住所入力専用ページURL)が発行されますので、住所入力専用ページURLを贈りたい相手に対してLINE・メールなどで通知し、贈りたい相手が住所を入力することによってお届けが可能となります。
ソーシャルギフト機能の特長
中元・歳暮といった文化が若者を中心に衰退している一方で、手軽にギフトを贈ることができるソーシャルギフトはLINEギフトを始めとしてその利便性から利用者数は右肩上がりで伸びている状況です。
- 住所を知らない相手にもギフトを贈ることができる
- 受取側は住所を相手に知られることなくギフトを受け取ることができる
- 注文処理としては出店者側も通常注文と変わらない
ソーシャルギフト機能のメリット
Yahoo!ショッピングでの設定自体は簡単で基本的には通常注文と処理方法は変わりません。手間なく、対応できるお客さまのニーズを広げることができるため出店者としては売上の拡大が期待できます。Yahoo!ショッピングの調査(※1)によると、Yahoo!ショッピングはギフト目的の注文が多くYahoo!ショッピング訪問者へのアンケートの結果では、ギフト目的の購入をしたことがある、または検討したことがあるお客様は57%に上ります。また、ギフト購入したことのないお客様のうち、ギフト目的の購入をしない理由の10%を占める「送る相手の住所が分からない」というニーズに対してソーシャルギフト機能を使うことで商品の販売が可能となります。
※1 2022年3月 Yahoo!ショッピング訪問者へのアンケート実施結果より
ソーシャルギフト機能の設定方法
Yahoo!ショッピングでソーシャルギフトを使用する際のストアクリエイターProにおける設定方法を以下にまとめました。
1.)ソーシャルギフト機能の対象設定を行う
ストアクリエイターProにて「ストア構築>カート設定>オプション設定」タブを選択後、「編集」ボタンをクリックする。「ソーシャルギフト」の項目にて「利用する」を選択の上、確認ボタンをクリックします。
2.)ソーシャルギフト機能の注文を確認
ソーシャルギフト機能は基本的に通常注文処理と異なる作業が発生することはありません。もし、ソーシャルギフト機能での注文かどうかを確認するには以下2つの手段があります。
- 「注文管理」>「注文一覧」/「注文基本情報」>「ソーシャルギフト」
- 「注文情報データーベースファイル(CSV形式)」のダウンロードデータ
注文処理方法については異なる作業は発生しませんが、いくつかの仕様が通常注文とは異なります。例えば、ストアクリエイターProで出力される納品書は、価格・注文者情報が自動で非表示になり、請求書はお届け先が非表示になります。しかし、システム上は価格・注文者情報・お届け先は保持しているため、出店者側で独自に発行をしているメールや納品書に関しては情報は開示されてしまう可能性があるため注意が必要です。
お客さま向けにはYahoo!ショッピングより、秘匿機能ではない旨が案内をされているようですが、クレームにつながる可能性があるため、独自の設定を行っている出店者は情報の取り扱いに関して注意しましょう。
3.)ソーシャルギフト機能を使用しない場合
ソーシャルギフト機能を使用しない場合は、利用設定時と同様にストアクリエイターProより使用の停止設定を行うことができます。ストアクリエイターProにて「ストア構築>カート設定>オプション設定」タブを選択後、「編集」ボタンをクリックする。「ソーシャルギフト」の項目にて「利用しない」を選択の上、確認ボタンをクリックします。
なお、ソーシャルギフト機能は「ストア内の一部商品のみ利用・停止」はできません。一括での設定となるため注意が必要です。
【開発者向け】APIによる自社システム運用中の出店者
Yahoo!デベロッパーネットワークが提供しているAPIを使用して自社システムでの運用を行っている出店者に関しては、各種APIにおいて追加されたソーシャルギフトの情報取得対応を必要に応じて実施する必要があります。以下に、各種APIにおけるソーシャルギフト注文における取得情報をまとめました。
注文検索API
「注文検索API」では注文情報を検索し、該当する複数注文情報を取得する機能を提供しています。ソーシャルギフトに関する検索条件(Condition)・取得情報(Field)は以下の通りです。
キー名 | SocialGiftType |
型 | ・未指定:全注文を取得 ・0:ソーシャルギフト以外の注文を取得 ・1:URL共有にて住所入力されたソーシャルギフト注文を取得 ・2:購入者により住所入力されたソーシャルギフト注文を取得 |
最大長 | 2byte |
項目 | ソーシャルギフトタイプ |
内容 | ソーシャルギフト注文を絞り込むためのフラグ |
検索条件(Condition)
キー名 | SocialGiftType |
型 | ・未指定:全注文を取得 ・0:ソーシャルギフト以外の注文を取得 ・1:URL共有にて住所入力されたソーシャルギフト注文を取得 ・2:購入者により住所入力されたソーシャルギフト注文を取得 |
最大長 | 2byte |
項目 | ソーシャルギフトタイプ |
内容 | ソーシャルギフト注文においてお届け先情報が URL共有か購入者が入力したのかを示すフラグ |
取得情報(Field)
注文詳細API
「注文詳細API」では注文情報の詳細を取得することができます。ソーシャルギフトに関する取得可能項目は以下の通りです。
分類 | 注文 |
キー名 | SocialGiftType |
項目 | ソーシャルギフトタイプ |
型 | ・0:ソーシャルギフト以外の注文を取得 ・1:URL共有にて住所入力されたソーシャルギフト注文を取得 ・2:購入者により住所入力されたソーシャルギフト注文を取得 |
最大長 | 2byte |
内容 | ソーシャルギフト注文においてお届け先情報が URL共有か購入者が入力したのかを示すフラグ |
取得可能項目
注文ライン追加API
「注文ライン追加API」では注文情報に商品を追加することができます。ソーシャルギフトに関してのキーはありませんが、ソーシャルギフト注文に関しては注文情報の変更に一部制限があるため、API実行時のエラー原因となる可能性があります。
コード | od90195 |
GTTPステータスコード | 400 |
説明 | ソーシャルギフト注文に対する変更不可エラー |
エラーコード
注文分割API
「注文分割API」では一つの注文を二つの注文に分けることができます。ソーシャルギフトに関してのキーはありませんが、ソーシャルギフト注文に関しては注文情報の変更に一部制限があるため、API実行時のエラー原因となる可能性があります。
コード | od90195 |
GTTPステータスコード | 400 |
説明 | ソーシャルギフト注文に対する変更不可エラー |
エラーコード
ソーシャルギフト機能設定時の注意点
便利なソーシャルギフト機能ですが、Yahoo!ショッピングにおいてはソーシャルギフト機能設定時に注意すべき点がいくつかありますので、以下にまとめました。
1.)一部の商品のみソーシャルギフト除外設定はできない
「ストア構築>カート設定>オプション設定」からソーシャルギフト機能の除外設定は可能ですが、除外設定は商品一括で設定されるため商品ごとにソーシャルギフト機能を使用する・しないを選ぶことはできません。
2.)ソーシャルギフトによる注文は分割・追加はできない
ソーシャルギフトによる注文はストアクリエイターPro側でも注文商品の分割や、商品の追加をすることはできません。
3.)出力した納品書は価格・注文者情報が非表示になる
ソーシャルギフトを使用した注文はギフト・プレゼント仕様となるため、お届け先に届く納品書には商品の価格や注文者の情報は表示されないようになっています。もし、独自の納品書を使用している店舗はクレームにつながる可能性がありますのでくれぐれも注意しましょう。
4.)出力した請求書はお届け先が非表示になる
ソーシャルギフトを使用した注文はギフト・プレゼント仕様となるため、注文者に届く請求書には商品の価格や注文者の情報は表示されないようになっています。もし、独自の請求書を使用している店舗はクレームにつながる可能性がありますのでくれぐれも注意しましょう。
5.)一部ソーシャルギフト機能の対象外となる商品がある
ソーシャルギフト機能の対象外となる商品を以下にまとめました。
- 「医薬品・医薬部外品」カテゴリ(配下含む)に紐づく商品
- 「レンタル・各種サービス」カテゴリ(配下含む)に紐づく商品
- 「アマチュア無線」カテゴリ(配下含む)に紐づく商品
- 「インゴット」カテゴリ(配下含む)に紐づく商品
- 「電動キックボード」カテゴリ(配下含む)に紐づく商品
- 「テレビゲームのソフト」カテゴリ(配下含む)に紐づく商品
- 「プリペイドカードなどのコード」カテゴリ(配下含む)に紐づく商品
- 「毒物及び劇物、肥料及び農薬」カテゴリ(配下含む)に紐づく商品
6.)一部ソーシャルギフト機能の対象外となる注文方法がある
ソーシャルギフト機能の対象外となる注文方法を以下にまとめました。
- PayPayほけん・あんしん修理
- 定期注文
- ゲスト注文
- 置き配・店頭受け取り・自宅外配送による注文
- 代引き・現金書留・ゆっくり払い・銀行振込(ゆうちょ含む)の後払い形式
- 出店者独自の支払い方法
まとめ
Yahoo!ショッピングで実装されたソーシャルギフト機能を活用すれば、新たな顧客開拓を行うことができます。ソーシャルギフト機能の設定は簡単で、独自の仕様を入れていない限りは通常の商品と同様に出荷することができるため、Yahoo!ショッピング出店者はソーシャルギフト機能をオンにしておくことを推奨します。
また、LINEギフトをはじめソーシャルギフト市場は急成長しているため、ソーシャルギフト向けの商材の準備や販促を行うことでさらなる売上効果が見込めます。便利なソーシャルギフト機能をうまく活用してYahoo!ショッピングにおける成果を最大化しましょう。